著者である「博報堂ブランドデザイン(社名が著者というのは不思議)」でもLEGO Serious Playを使ってワークショップを行なっているのは知っていたので、手に取ってみました。
インサイト調査などを引き合いに出しながら、人々の意思決定に潜んでいる言語化されていない領域の重要性とそれを引き出すための方法を並べつつ、いかに活用していくのかを述べています。こうした内容に不案内な人にとっては、何かと参考になることが多いと思います。
ただ、自分でもブログを書いていて思うことですが、この手の内容の宿命として、本当に面白い部分はパッケージ化できないというジレンマがあります。
この本にあるようなワークショップに参加して、上手くいったダイナミズムを味わったことのある人であれば、まだそれを思い出すこともあるでしょうが、全くゼロだと非常に伝わりにくいです。その点に配慮して、様々な角度から工夫して書かれていますが、その分、少し散漫な印象を受けたことは否定できません。
なお、個人的にこのサブタイトルにはあまり同意できないものがあります。厳密に考える際にはロジックで詰めていくことは必要だし、詰めに詰めた先の跳躍を行う際に、こうした非言語的な部分が必要になるわけで、これらは対立するものではないと思っています。
ここでいう合理主義というのは、正解主義というか、事前にある程度結果の見えることしか行わないための言い訳として持ち出される様々な屁理屈のことであって、閉じた領域における合理性に過ぎず、本来の意味での合理主義ではありません。
0 件のコメント:
コメントを投稿