自分の属している業界は、企業のグローバル展開のお手伝いをしているのだが、顧客である日本企業の体制が、口で言うのとは裏腹にグローバル対応のそれからは距離があることが多い。端的に業務の標準化ができていない。本来の意味での組織のリストラクチャリングを行なっているのか疑問である。こんなことは、あちこちで指摘されているだろうが。
カンファレンスの主題は、業務の標準化のためのXMLベースのDTDとそれに対応したシステムの導入事例と運用の例である。欧州や米国では導入が進んでいるものだが、事例が多く紹介されたということもあり、話が細かな実践のことに終始して標準化を推し進める意思決定を行った人間や、その背景がほとんど登場しなかった。そのため、この手のカンファレンスにありがちな、『会議のテーマとして取り上げられたことから派生する二次的な問題の吟味に集中するようにすると、土台となっているテーマが既成事実になる(歴史の中の『死新約聖書』/加藤隆 p230)』ことの実践の場となっていた。
はじめは聴衆(主催者から見れば顧客)に気を使っているのかと思ったが、どうやら実践者とは別に意思決定者がいる前提が抜け落ちているようだった。端的に残念である。