2013年4月14日日曜日

TAUS Executive Forum 2013

日本では3回めのTAUS、ともかく皆勤しておりまして、今年も参加してきました。

残念ながら前回ほど参加者も多くなかったのですが、これまで機械翻訳やポストエディットに関わる大げさな言説も鳴りを潜めて、現実的な話を落ち着いてできる良いカンファレンスであったと思います。派手さは確かにありませんでしたが。 

自分がTAUSを好きなのは、既存の翻訳やL10Nという枠組みよりも大きな技術的、歴史的視点から自分の取り組んでいる課題について見直す機会になるからで、その他の団体によるイベントよりも良い刺激を受けられるからということがあります。

反面、打ち出すコンセプトがEUの理念(リスボン条約)の影響をかなり受けていて、あまり日本の状況に当てはまるものではない点が前回で明確になっていたのも確かで、その点でもう少し具体的な話に引き寄せたり、ローカリゼーションが必要な部分もあるのだろうとも思います。

ただ、アカデミックとビジネスとの橋渡しのできる団体というのは、今のところTAUSぐらいで、本来であればこの両者はもう少し近くあるべきだと考えています。自分の業務のなかでも試したことではありますが、アカデミックの持つ客観性や、ある技術に対する等身大の評価というのはビジネス側にとっても意思決定を行う上で重要なことでもあります。特にMTやポストエディットは、この数年はあまりにもマーケティング主導というか、利点ばかりがアピールされてきた面が強いことは否めません(一部にあるMTPEに対するアレルギーもこれが大きいのだと思います)。

わたし自身は、L10N的な意味でのローカリゼーションのど真ん中にいるのですが、そろそろ次の動きというのが見えてくる頃合いなのだろうなと思います。それが何か、というのはいずれまた。