2012年3月3日土曜日

ジャクソン・ポロック展

東京国立近代美術館で開催されているジャクソン・ポロック展に行ってきた。

ジャクソン・ポロックを知ったのはストーン・ローゼズのアルバムジャケットがきっかけで、音に夢中になっていたので絵に関してはあまり深く追いかけなかった。せいぜい、ジャクソン・ポロックという名前の「ああいう感じ」の画風の画家がいるという程度。そういうわけで、ポロックの作品を年代に従って見ていくのはこれが初めてだったが、これが相当に楽しかった。

正直なところ、キュビズムの影響が出ている頃の作品はあまり好きではない。その後の、ネイティヴ・アメリカンのトーテムポールをモチーフに据えたときから、具象でありつつ具体から離れた領域を見据えていたのではないか、技法としてのポーリングやオールオーヴァーな構成がどこから生まれてきたのかといえば、モザイクによる作品で具象として残っていたイメージを解体したのが契機になったのではないかと思う。もちろん伝記や評伝の類は読んでいないので観た限りでの解釈だが。

個人的に好きなのは、『白と黒の連続(Black and White Polyptych)』。どこまでが枠で、どこまでが作品か。行き着いた先が作品となったようで、どこか井上有一に似たところがあるように思えた。ただ、ポロックの方がもう少しお行儀がいい。

白と黒の連続
井上有一の花
『白と黒の連続』に関してはポストカードも買ってしまったが、実物のサイズで観るのと、ポストカードやPCの画像で観るのとでは存在感が圧倒的に異なる。本来であれば当たり前の話だが、別の「作品」と言っていいだろう。今回の展示の目玉とされていた『インディアンレッドの地の壁画』が象徴的で、大部屋一つを丸々使って展示されており、寸法を越えた存在感を放っていた。

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